@黒歴史

わたくしが人生で苦々しい体験をしたことを書いてみようと思います。多分長文になります。クソ文です。常体・敬体など文法の基本事項殆ど無視です。
俺が15歳の誕生日を迎えた翌日、中学3年の新クラスで全国恒例の「係決め」というイベントがありました。そして拙者はどの仕事をやるのかは腹の中で決まっていた。配布物を配るという比較的ラクな仕事であったよ。あっしはラクそうな仕事をとても大変そうにやるのが上手かった。いや、単に要領が悪かったのかも知れねえな。まあ学級委員、班長、生活委員とか誰かが裏で操作していたかのようにホイホイ決まっていった。しかしあるところで議会に大ブレーキがかかった。それは給食委員という役職であった。
給食委員には既に1人の女子が立候補し、学級委員の「賛成の人は拍手」というお約束の言葉に、皆従って、手をパチパチと叩いた。別に何デシベル未満だから就任に反対とかいうものではなかったしな。他の委員は決まっていく中、給食委員の男子の席だけは全く決まらなかった。男女の就任する人数が決められている委員会である以上、教科の係を先に立候補を募ることは出来なかった。募ったら、男子が全員立候補して給食委員に空席が出来てしまうから。持久戦は続いた。学級活動の2時間目拙者は右手にハンマー投げの鎖を持たせ、手が上がらないようにさせる気分で耐えた。まだ4月だというのに、西から差し込んでくる日差しはわたくしの顔を容赦なく照らし、汗が頬を伝って落ちていくのが分かった。持久戦はなおもつづいた。この時間中、誰も口をきかなかったんじゃないかというほどに沈黙は続いた。時間が半分の速さで進んでいたように感じた。翌日の学級活動、なおも持久戦だ。俺の頭の中で将棋の陣形が組みあがっていた。穴熊と雀刺しのミックスされた構えだった。これは俺が良く使う急戦の構えだった。前で司会する学級委員もやることがなくずっと立ちっぱなしで疲れが見えていた。いい気味だ。そして、開始から約30分担任教師はある案を持ち出した。
「もし、決まらなかったら、信任投票で決めましょう。でも選ばれた人は後期、好きな役に就けるということで。」あっしの背中はヒヤリとした。役の決まってない男子の中で投票されるとしたら、俺に票が集まるような気がしたからだ。その時間も「我慢大会」で終わった。
信任投票になれば、自分が選ばれるような気がした。何故だか分からないが、そんな気がしてしょうがなかった。でも自分から立候補して、白旗を振る気は無かった。『選ばれた人は後期、好きな役に就けるということで。』という言葉に賭けたからだ。転んでもタダでは起きまいと思ったからである。そして学級活動の4時間目45分×3+αの「長考時間」だ。誰も手を挙げなかった。当然だ。なんの見返りも無しにやりたくない役職になど就く気も無かった。今考えると、俺は肝の小さい人間だった。5時間目、ついに教師は「この時間で出なかったら、信任投票します。」と高らかに宣言した。拙者は就任挨拶の言葉を考え始めていた。
この時間もまた「長考時間」になった。ついに「持ち時間」はゼロになった。しかし、次の一手は無い。チャイムが鳴った。あっしの中で就任挨拶のスピーチは完成していた。投票用紙が配られる。この投票は記名投票だった。自分の名前と推薦する候補者の名を書いた。担任教師が投票用紙を集めた。俺の腹はもう決まっていた。俺は「投了」した。
第1部 完 〜つづく?〜